朝晩の冷え込みを感じ始めると、いよいよ秋本番。ベイトフィッシュ中心の積極的なアプローチが効果的となる一方で、ターンオーバーや台風などによる水質の変化もこの季節の定番の事象となります。
ターンオーバーは、底に溜まっていた細かい泥や粉塵を巻き上げることから、サカナは、それらがエラの濾過機能を低下させることを嫌います。こうした粉塵の影響が及ばないカバーの奥や水の入れ替わりがあるような流れ込みに身を寄せます。
台風などの大雨では、陸からの泥の流れ込みによるニゴリや大量の水の流入によるph値などの水質の変化がサカナの行動に影響を与えます。どちらの事象にも言えることは、「環境の変化」がそこにあること。この見方がカギとなります。
ターンオーバー=タフという見方に傾倒すれば、アプローチは必然的に保守的になります。しかし、フィールド全体が同じような状況とは限らないし、状況は刻々と変化していっているもの。また、変化の影響を受けやすいのは、小魚などのベイトフィッシュ。体力のあるバスも十分な捕食を行えていないと見ることができます。
腹をすかしたバスは、どこにいるのか。いち早く回復するエリアや影響を受けていないエリアはどこになるのか。こうした考え方に立てば、「変化=マイナス」という見方ばかりではありません。秋という絞り込みにくい状況において、絞り込むための条件が与えられたという見方もできます。
こうした積極的なアプローチだからこそ手に出来るサカナがいて、それは間違いなくクオリティフィッシュであるといえます。マイナス条件をプラスに転換したアプローチ。往々にして、結果の違いというのは、こうした点に現れるものだと感じます。