ロッドは、ブランク、ガイド、リールシート、グリップなどから構成されます。ブランクに使用される素材もカーボンやグラス、その含有量や巻き方など製法まで踏まえると多岐にわたります。ガイドの素材やフレーム形状、グリップのタイプなど、サプライヤーからは新商品が後を絶ちません。
新しいものの組み合わせが必ずしもベストなのか?ロッドはリールとライン、ルアーが一体となって初めて道具として形を成します。一時期の軽量高感度を極めた時流は、全体のバランスからロッド本来の役割を見つめ直す機会となりました。
たとえば、感度は強度を犠牲にしてまでロッドにどこまで負わせるべきか。その役割をラインに一部負わせることで、ロッド本来の性能をもっと引き出せないか。軽量化されたリールに対して、ロッドの軽量化を追求し続けることが、果たして全体のバランスから考えて適切なことなのか。
スペックからのみ語るのではなく、実際にセッティングし扱ったときのバランスから考える。エンズヴィルは、そうした過程の中で生まれ、一定の頂点に触れたといっても過言ではありません。スペックから作られたのではなく、実際の場面におけるバランスを追求することから生まれたロッドだといえます。
ハイエンドたる所以は、使う人をも選ばないところにもあります。それは、「懐の深さ」にも感じることができます。奇をてらうところも、革新的なところもないからこそ、そこには道具としての本質があるといえます。“モデルチェンジのためのモデルチェンジ”、“計画的陳腐化”は、そこには必要ありません。マイスタイルを追求していく過程において、一度は手にしてほしいロッド。右腕としての役割を十分に果たしえる存在になることに違いありません。
