動くか待つか

アメリカ西海岸のコロンビアリバーは、スモールをターゲットとするタイダルリバー。

下流域にあるダムサイトの開閉により、流れが作られ、それによってサカナも動く特徴のあるフィールドです。

 

まだ、日本人が今ほど渡米していなかった頃、単身参加したB.A.S.Sウェスタンインビーテショナルトーナメントでは、そのタイミングに合わせて、スポットを攻略できるかがキーになりました。

 

初日のパートナーの戦略も同じように、移動途中のフィーディングエリアを数箇所チェックする戦略。ヒットすればラッキーという感じのエリアでした。それ以降は、張り出したシャローバンクで、そのタイミングをひたすら待つスタイル。

 

一見、何もないところ。どうして、ここでやるんだと訊くと、彼はこう応えました。

 

「ワーっときて、ワーっと去っていくんだ」

 

そのタイミングをひたすら信じて待つ。そのとき、ランガンしてはどうか?と訊いたが、

「いや、待つ方が正解だ」という。ランガンするべきか、待ちに徹するべきか。それは、ライバルの動きやコンディションによります。

 

これは、レジに並ぶ列に似ていると思いました。あっちが早そうだと移動する。となりを見て、また移動する。これでは、いつまでたっても自分の順番が来ることはありません。回遊やタイミングを計る釣りでは、まずは場所。確実にクルーズする場所、足を止める場所をで待つ。

 

場所は、インビジブルである場合が多いから、バッチリはまったときは強力です。あとは、そこでタイミングを待つ。

 

最終的に力量の差が出る部分が、この「信じて待つ」という部分であるといえます。これは、この戦術の最大のキモの部分でもあるといえます。テクニックやノウハウではない「心構え」。タイミングを計ることは重要ですが、動くか待つかの選択が重要です。

 

※このときの参戦記「アメリカ行きのBASSに乗って」は、こちら