リリース情報などをお届け ENDSVILLEニュースレター

エピローグ

タフだった。いろんな意味でタフだったといえる。日本に帰ってきて翌日から会社に出社したが、そのときに、会社ってなんて楽なんだろう、と感じた。アメリカでバス釣りをしながら自立することは、想像以上に大変なことだ。今回は、何もかも始めてであったということもあるだろうが、大変なんて言葉では表現できないことには間違いない。

アメリカのプロ達は、プロとしての自覚と覚悟がある。生活を賭けているから、そうならざるを得ないといってもよい。実際、賞金圏内から外れることが判ると最終日を待たず帰ってしまうプロもいた。賞金と滞在費の兼ね合いで、採算があわないと判断しているのだ。スポンサーの手前もあるので、すべてのプロがそうではないが、すでに楽しむという域を越えていると感じられることが多々あった。

トーナメント自体もタフであった。年に1回か2回しか来ないなら、こんな時に来てはいけない、といわれたこともあった。しかし、トーナメント自体がタフであった故に、その技術の差をはっきりと見ることができた。アメリカ人すべてが上手い訳ではない。その反面、上手い人はむちゃくちゃ上手い。そういう人は、間違いなく今回のようなスローな状況では、スローな釣りを、いい状況では、そういう釣りを展開しているだろう。そのレベルの高さというよりも、自分のレベルの低さを感じた。キャスト、集中力、執着心、状況判断、経験・・。僕は、今までの理論、知識による釣りを捨て、経験のみで成り立たせる釣りを目指すべく、環境、スタイルを変える決意をした。

今まで、当たり前と思っていたことが、そうではない事実も多く見た。1/4ozのスプリットショット、ハードなスピニングロッド・・。それに大きなタックルボックスをボートに積んでいるプロは一人もいないという現実。釣りに対するスタンスの違い。釣りだけに限らず、今までの概念を崩されることばかりだった。

トーナメント自体も、整然としており、釣りに集中できる状況が出来上がっている。大変だけれど、やりがいのあるところだ。ただ、出場する以上はボーターで出場したい。プラクティスを行いたいというのが一番の理由だ。自分で状況分析を行わずに、たとえ結果を残せて何になるだろう。それに言葉の壁は大きい。僕は、相手の言っていることは大体理解出来るし、意志を伝えることもできる。それでも、不自由さを感じる場面は多々あった。パートナーとは、協力しあって行うことが何かとある。

ボートの上げ下げやランディング、待ち合わせや意見交換など、「判らない」ではすまない場面がある。相手も真剣である故、じゃまだけはしないにしても、足手惑いにならないためにも、語力は多少なりとも必要だし、何よりコミュニケーションを取ろうとする気持ちが大事だ。今以上に英語力を付ける必要性に迫られるのは間違いない。

「アメリカ行きのBASS」に乗るために、必要なものは釣りの技術だけではない。英語力や体力、精神力、環境、仕事。アメリカから帰ってきて、自分の日本でのバス釣りとの接し方が見えてきた。ここに来て、やっと「あるべきバサーの姿」を感じ取れた気がする。

最後に、エディー、レイ、そして本戦のパートナーのマーク・ルセイン、カーク、マーク・カイル、に心から感謝したい。ラマダ・インのマネージャーのジムには、日本からのストレンジャーに対して、色々と気遣ってくれて本当に感謝している。そして、桐山プロ、宮崎プロ、B誌の記者S氏に対しても、心から感謝したい。単身で飛び込んだ私を快く受け入れてくれ、知らないことばかりの私の心の支えとなってくれた。現地では色々と助け励ましを頂いたボートディーラーU氏、とにかく感謝の気持ちで一杯だ。

僕のB.A.S.S.初参戦は、みなさんに支えられ実現した。これからも、何かしらチャレンジし続けていきたいと思う。本当にありがとう!何よりも、この体験が宝物だ!

桐山孝太郎プロと宮崎友輔プロ。日本のトーナメントでは、味わえない戦略とプランを、あたりまえのようにこなしている。いつかは、僕も同じレベルで話が出来るようになりたいなぁ
後日、マーク・ルセインが送ってくれた