はじめに

バス釣りの話をするならば、まず始めに話しておかなければならないことがある。それは、バス釣りは、日本古来からの、いわゆる”釣りのスタイル”とは、異なるという点だ。島国に住む日本人にとって、元来、釣りとは食料を得るための手段だった。だから、”釣ったサカナは食べる”というのが基本だ。しかし、その発祥が米国にあるバス釣りにおいては、釣ったサカナは食べないのが基本。その理由としては、その根底には、ハンティング(狩り)の思想があるからだといえるだろう。そして、そのハンティングの第一義は、獲物を食べるところにはない。獲物を見つけ、その獲物との知能ゲームに勝つことだ。つまり、バス釣りとは、獲物を狩るまでのプロセスを楽しむゲームだといえる。