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MHは、本来もっと扱いが難しい番手だった。 強さと繊細さ、操作と追従。 どれか一つを強調すれば、どこかが破綻する。

それでもMHが必要とされ続けてきたのは、状況対応力と再現性を最も高いレベルで両立できる可能性を持つ番手だからだ。

EC71MHは、「誰でも満足できるMH」を目指していない。 MHを理解しているアングラーが、余計な迷いなく結果を出すための道具。 その一点に設計思想を絞り込んでいるといっても過言ではない。

項目 内容
Power
Medium Heavy
Action
Regular Fast
Lure Weight
3/16 – 1oz.
Line Size
10-20lb.
Price
62,700(税抜)

 かつて ENC71MH は、「MHの基準」「戻る場所」と呼ばれていた。

EC71MHは、その挙動を正確に把握したうえで、素材・設計精度・情報量を現代水準に引き上げたモデルだ。 上位互換ではない。基準を“削ぎ澄ました”結果である。

荷重の移動、復元の速さ、余韻の残り方。 それらを理解して使うアングラーのために設計された、エンズヴィルのハイエンドMHである。

01. 完成されたガイドセッティングの継承

リメイクにあたり、ガイドの数や種類、配置に一切の変更を加えていない。 実戦から導き出されたオリジナルのハイブリッドセッティングは、ヘビーカバーでのパワーファイトに必要な剛性と、繊細なリグを操るための軽快さを完璧に両立している。 「最新」に媚びることなく、最も信頼に足るセッティングをそのままに。それがプロフェッショナルの道具としての誇りである。

02. D-BLANKが生み出す「真のトルク」

エンズヴィルの象徴である厚巻きブランクス。EC71MHでは、そのトルク特性が最も顕著に現れる。 キャスト時にはルアーの重みをしっかりと受け止め、反発力で弾き出す。 フッキングの瞬間には、魚の抵抗に呼応して無段階にパワーが立ち上がる。 パキパキと硬いだけのロッドでは決して得られない、「曲がるほどに強くなる」安心感を、かつてと同じフィーリングで体感できる。

03. D-BLANKの本質を味わう「究極のバーサタイル」

厚巻きブランクスの特性を最もダイレクトに体感できるスペック。 低負荷では素直に曲がり、高負荷では止まることなく溢れ出すパワー。 「パキパキ」の現代ロッドには真似できない、魚を掛けてから「曲がって、耐えて、浮かせる」という一連の動作の心地よさを、一切の雑味なく再現。

オリジナルが到達していた「操作性」「感度」「トルク」の三位一体のバランスは、誕生したその瞬間に、一つの到達点へと至っていたからだ。

昨今、フィールドがどれほどタフになろうとも、アングラーがロッドに求める本質は変わらない。 素材の質を磨き上げ、黄金のスペックを忠実に再現。 「変えないこと」こそが、このロッドに対するエンズヴィルの回答である。

01. 「強さ」より「整合性」

EC71MHが重視したのは、単純なパワーアップではない。 「荷重がどこから入り、どこを通って、どう戻るのか」 この一連の流れにズレが生じないこと。

結果として、キャスト、操作、フッキング、ファイト、すべての局面でロッドの挙動が読めるMHに仕上がっている。

02. 飛距離より、再現性

EC71MHのキャストは、派手ではない。 だが、「初速が暴れない」「抜けが一定」「着水点が読める」 71MHとしては異常なほど、キャスト結果の再現性が高い。 3/8〜5/8ozを中心に、「狙った距離・角度」を外しにくい設計だ。

03. 瞬間ではなく、残る情報(感度)

EC71MHの感度は、鋭さを誇示しない。底質の変化が線で残る。テンション変化が消えない。

スラック状態でも情報が途切れない 初期荷重域の情報減衰が少なく、操作中の“違和感”を保持し続ける。

04. 掛けた瞬間に、設計意図が分かる

フッキングは、わずかに遅い。しかし、刺さりは深い。 ティップだけで止めず、荷重が自然にベリーへ移行。バットを使い切る前に主導権が決まる。 無理に合わせなくても、ロッドが状況を整えてくれる。

現代のバスフィッシングにおいて、MH(ミディアムヘビー)に求められる役割はかつてないほど多岐にわたる。 高比重ノーシンカーの操作性、カバージグの貫通力、そして巻き物に対する追従性。 EC71MHは、エンズヴィルの代名詞である「D-BLANK」を現代の解釈で再構築。 7’1″というレングスを活かしたストロークと、劇的なバランスアップがもたらす軽快な操作性が、あなたのバーサタイルを「タクティカル(戦略的)」な域へと押し上げる。リールをセットし、ラインを通し、ルアーを結ぶ。 その時、EC71MHは静かに、しかし確実にアングラーの「軸」となる。

JIG & SOFT BAIT(操作と貫通)

JIG & SOFT BAIT 操作の入力に対し、ブランクスが過剰に反応せず、ルアーの重みを適正に伝える。アングラーは「ロッドの反発」ではなく「ルアーの挙動」に集中できる。

3/8oz前後のカバージグ、テキサスリグ、高比重ノーシンカー。

繊細なティップがストラクチャーを舐めるように捉え、強靭なベリーが分厚い顎を貫く。

MOVING BAIT(追従と制圧)

MOVING BAIT リールの回転、ラインの振幅、ルアーの振動。そのすべてを阻害することなく、バイトの瞬間だけを鮮明に浮き上がらせる。

スピナーベイト、チャターベイト、中型スイムジグ。

ブランクスの粘りがバイトを弾かず、かつウィードを切る、カバーを抜くといった動作に必要なパワーを供給。

7フィート1インチというレングスは、単なる長さではない。 ピッチングの精度を極め、ロングキャストの飛距離を稼ぎ、フッキングのストロークを確保するための「戦略的レングス」だ。 手に取った瞬間に馴染む、絶妙な自重バランス。 持ち重りを感じさせない絶妙な設計は、長時間の使用でもアングラーの感度を研ぎ澄まし続ける。

EC71MHの設計思想を一言で表すなら、バランスである。 強さ、感度、軽さ、追従性。どれか一つを誇示することはしない。 なぜなら、どれかが突出した瞬間に、全体の整合性が崩れるからだ。

EC71MHは、使い込むほどに「足りなさが見つからない」ロッドである。 それは派手さではなく、信頼として残る性能だ。

【システムとしての挙動】

キャストの再現性: 初速が暴れず、抜けが一定。狙った距離・角度を外しにくい。

感度の保持: 鋭さよりも、情報の継続性を優先。スラック状態でも違和感が消えない。

深化するフッキング: 荷重が自然にベリーへ移行。無理に合わせずとも、ロッドが状況を整える。

【フッキングとファイト】

EC71MHは、「掛けた瞬間」に違いが分かるロッドだ。 フッキングは、わずかに遅い。だが、その分、刺さりは深い。

ティップだけで止めず、荷重が自然にベリーへ移行し、主導権を外に逃がさない。 無理に合わせなくても、ロッドが状況を整え、結果としてバラしが減る。

MHロッドは本来、「強くて、投げられて、何でもできる」道具として作られてきました。しかしその多くは、パワーを上げる代わりに、操作の解像度を犠牲にしているのが現実。

EC71MHが目指したのは、まったく逆の方向。トルクはMHのままに、入力と出力のズレを極限まで消すこと。

・ラインテンションをわずかに抜いた時
・ルアーがカバーに触れた瞬間
・ボトムでワームが止まった時

その「何か起きた」という情報が、曖昧な振動ではなく、意味のある感触として手元に返ってくる。これが、EC71MHを“制御ロッド”と呼ぶ理由です。強く振らなくても飛ぶ。力を込めなくてもフックが入る。ラフに扱わなくても、カバーを抜けてくる。

EC71MHは、MHというカテゴリーを「パワー」ではなく「操作」で成立させる、まったく新しいバランスで設計されています。MHでありながら、スピニングロッドのようにルアーを“感じて”操作できる。その一方で、ベイトロッドとして必要なトルクと復元力は一切失っていない。

だからこのロッドは、「MHを使いこなしてきた人」ほど違いが分かる。これはただ強いMHではありません。自分の入力をそのまま水中に再現できるMH。EC71MHは、“力でねじ伏せる釣り”から“意図して獲る釣り”へ移行するための一本です。

“その気にさせる”ロッド

ロッドには、ときどき説明のつかない“気配”をまとった一本がある。握った瞬間に、ただの道具ではなく、自分の背中をそっと押してくれる存在へと変わるロッドだ。EC71MHは、まさにその類いの一本だった。テキサスリグをキャストしたとき、ブランクを通して返ってくる感触がある。それは、単なる反発でも、単なる張りでもない。

――まだいける。

そんな声が、ロッドの奥から静かに響いてくるようだった。ウェイトを下げてみると、景色が変わる。これまで拾えなかったボトムのざらつき、ウィードの密度、わずかな抵抗の違い。そのすべてが、手元へと流れ込んでくる。まるでロッドが「ほら、まだ見えていない世界がある」と教えてくれているようだった。

そして、その世界に足を踏み入れると、また別の扉が開く。軽いウェイトでの誘い方。ラインスラックの扱い方。バイトの出方の違い。どれもが新鮮で、どれもが挑戦だった。ロッドが導くように、こちらの感覚が勝手に研ぎ澄まされていく。気づけば、釣果も上がっていた。

「自分、ちょっとうまくなったんじゃないか」

そんな錯覚すら抱かせてくれる。だが、その錯覚こそが大事なのだ。アングラーを前へ進ませるのは、いつだって“できる気がする”という小さな自信だから。そして、実際に釣れる。

エンズヴィルをリメイクしようと思ったのは、その不思議な力に惹かれたからだ。スペックや性能では語りきれない、言葉にしづらい何かが宿っている。ロッドがアングラーを育てるなんて、少し大げさに聞こえるかもしれない。けれど、この一本には確かにそんな魔法がある。

“その気にさせてくれるロッド”。
それは、釣り人にとって最高の相棒であり、
まだ見ぬ一匹へと向かわせてくれる、静かな案内人なのだと思う。