ロッドリメイクにあたり、ブルーダー、カリスマ当時からブランク設計に携わってきた設計士の方に色々と話をきいた。まず、ブランク設計士とは、ブランクの企画者のイメージを、トン数の異なるカーボン素材を組み合わせて実現していく技術者のこと。素材の特性やクセを熟知し、どう組み合わせればどうなるかをイメージし実現する。
また、カーボンシートという素材は非常に繊細で、厳重な温度・湿度管理が必要となる。また、軍事転用の恐れもあることから、その管理は徹底して行われているという。保管する際の状態と成形する際の状態も異なるため、そこにも素材に対して知識と経験が必要とされる。
そもそも、ロッドブランクの良し悪し、技術の差はどうして現れるのか?それは、使用するカーボンシートと、そのカット方法、重ね方による。実際、軽量高感度な「だけ」のロッドを作るには、カーボンを薄く巻けばいい。しかし、それでは曲げ強度が弱く、「曲がらない竿」「すぐ折れる竿」になってしまう。
ある種、軽量高感度を追求した某モデルでは、「折れるか折れないかの限界を追求した」と語っていた。その取り組みは反動となり、後の主流スタイルとなるムチムチとした曲がる竿の誕生につながっていく。それは、「強い竿=堅い竿」では、決してないことを証明することとなった。
ロッドは、カーボンシートを巻けばできる。しかし、実際は「どのように」巻かれているか重要なのだ。どのように巻かれているかは、パッと見の外観からはわからない。それは、実際に投げ、そしてサカナを掛けてみてはじめて体感できることとなる。まさに、触ってみなければわからないのだ。ロッド販売がマーケティング合戦に陥りやすい要因といえるだろう。
海外で生産されるロッドでは、この「巻きの結果の確認」に非常にコストがかかる。テストするたびに運賃と時間がかかるためだ。ブランク設計士が企画者の意図をくみ取り、言葉の壁を越え再現する再現度がどのくらい高いのか。趣味ではなくビジネスという領域で考えた場合、そのコストと労力は決して少なくないはずだ。海外製で安く仕上げるというのは、幻想か妥協によって成り立っているといっても過言ではないだろう。
一連の管理工程や製造工程を目の当たりにした時、一本一本が生み出されるプロセスに驚嘆した。そこには、ロボット工場などでの大量生産では成しえない過程があり、かつ厳密な品質管理が生み出すジャパンクオリティ。それはまさに日本が世界に誇れるものに間違いはない。昨今の日本におけるバス釣り市場において、それを実現することは難しく、実現しうるロッドは限られているといえる。










