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フルソリッドロッドというと、「カーボンの棒を削って作るのだから、どれも似たようなものだ」と思われがちだ。だが、その認識は大きく違う。

そもそもカーボン素材そのものに、天と地ほどの差がある。

張りが強いもの。粘りを残すもの。復元速度に優れるもの。繊維密度が高いもの。レジン量によっても性格は変わる。数字だけでは語れない“素材の癖”が確かに存在する。そしてフルソリッドは、中空ブランク以上に、その素材の個性が剥き出しになる。

10年前のロッドをリメイクする際、当時の素材は当然残っていない。だから現代の素材を使うことになる。だが、ただ最新素材を使えば良いわけではない。現代の高性能素材をそのまま当て込めば、昔のロッドが持っていた独特の“間”や“粘り”が消えてしまうことすらある。

必要になるのが、「どの素材を使い、どう削り出すか」という感覚だ。

どこに肉を残し、どこを落とすのか。どこで曲がり始め、どこで踏ん張るのか。ほんの僅かな削りの違いで、ロッドはまるで別物になる。それは単なる設計ではない。もはや熟練の技術の領域だ。

エンズヴィルロッドの中でも、その技術が特に光るのが、フルソリッドモデルであるEC62LFS/ES62LFSだ。

フルソリッド特有の“鈍さ”ではなく、生命感のある曲がり。ただ柔らかいだけではない、奥で支える芯の強さ。そして負荷を掛けた瞬間に分かる、異様なまでの追従性。

それは単に「乗せやすいロッド」という言葉では片付けられない。

もし、これまでフルソリッドに対して古いイメージを持っていたなら、このロッドはその印象を変えるかもしれない。そんな一本だ。

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